国際単位系のあれこれ16

光束                ルーメン              lm          1 lm = 1 cd・sr

  光度は一方向へ向かう光の強さですが、光束はある広がりに向かう光の全体の量を示しています。全ての方向に放出される光束を総合すると、光源の明るさを示すことになります。最近のLED照明には500 lm等の明るさの表示や100 lm/W等の光源効率の表示があります。物理量の記号はφです。

照度                ルクス                  lx           1 lx = 1 lm/m2 = 1 cd・sr/m2

  単位面積当たりの光束です。光度や光束は光源に着目した量ですが、照度はその光を使う側の量です。机上などがどのくらい明るいかを示すことになります。物理量の記号はEです。

放射能             ベクレル              Bq          1 Bq = 1 s-1

 次元は周波数と同じですが、意味は異なります。単位時間に放射線放出が何回あるかを示しています。放射線がアルファ線なのか、ガンマ線なのかとか、どのくらいのエネルギーを持っているのかなどは示していません。物理量の記号はAです。

吸収線量         グレイ                  Gy         1 Gy = 1 J/kg = 1 m2/s2

 放射線を受ける側の量を表すための単位です。化学反応でどのくらいのエネルギーが得られるかを示す比内部エネルギーと次元は同じです。但し意味は異なり質量当たりどのくらいのエネルギーを放射線で受けるかを示したものです。物理量の記号はDです。
 個々の放射線が持つエネルギーは条件により様々ですが10-13 J等の小さな値です。そこで、放射能の大きさはkBqやMBq等の千倍、百万倍の接頭語を付けてで表すことが多いのに対し、吸収線量や次に示す線量当量ではmGy、mSvやµGy、µSv等の千分の一や百万分の一を付けて表すことが多くなります。単純に数値の大きさで判断するのでなく、その意味するところを理解することが重要です。不適切な接頭語を使って数値を大きくあるいは小さく見せる表現をする論者もいるので注意が必要です。

線量当量         シーベルト           Sv          1 Sv = 1 Gy = 1 m2/s2

 放射線が人体に与える影響は線種やエネルギーで変わり、単純に受けたエネルギーには比例しません。そこで、影響の程度を係数にして吸収線量に乗じたものを線量当量とします。物理量の記号はHです。本来、単位は吸収線量と同じで良いのですが、人の健康保護のためとして認められています。

酵素活性         カタール              kat         1 kat = 1 mol/s

 生化学で、基質の化学反応を促進する能力を表していて、これも人体の健康保護のために認められています。

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