無機材会は本学のなかでも古い歴史を持つ陶器玻璃工科を母体とするものですが、19世紀末から20世紀初めにかけては、洋食器、ポルトランドセメント、板ガラス製造、耐火物などの製造に係わる技術者を輩出して、製造業の近代化に貢献しました。これらは粘土鉱物を原料とするもので、現在も多くの卒業生が活躍する業界ですが、20世紀後半にはニューセラミックスやファインセラミックスといった新たな産業分野へも幅を拡げ、日本の部材産業の競争力を飛躍的に高めることにも寄与しています。

蔵前東京高工窯業科の同窓親睦の会として発足した同窓会は、大正時代までは「鳥又會」、昭和の始め頃には「愛窯會」、昭和8年には「窯業同窓會」と称し、昭和18年からは「八日會」(窯化會に通ず) へ改称しました。戦時中には活動を中断しましたが、昭和22年1月に会名を再び「窯業同窓會」に改称して活動を再開し、同窓会名簿の作成に取り組みました。その後は「窯業同窓会」とする新字体への変更を経て、2017年1月には「無機材会」への名称変更が行われて現在に至っています。

窯業同窓会会誌の創刊号は1954年でしたが、古いものは紙質が悪く、残っている部数も僅少なので、歴史的にも貴重な資料を保存するために電子化することとしました。しかし、印刷物も長年の劣化によって不鮮明となってきたので、スキャナーで読み取ったものを光学文字認識 (OCR) でさらに文字コードに変換し、そのときの変換ミスを役員が分担して修正して電子版としました。

なお、窯業同窓会会誌の発行は1990年に中断し、その後は随時の名簿発行に移行しましたが、2019年に無機材会会誌として再開しています。電子版は文字と写真を取り込んで再構成をした関係で、オリジナルの紙版とはレイアウトが異なり、紙版に掲載されていた広告は電子版では割愛しています。

本電子化に関しては、役員の皆さんの多大なるご協力の賜物ですが、特に相談役の安田榮一氏には資料収集からOCRによる文字化までの作業を担当頂きましたことを記して、謝意を表したいと思います。会誌には個人情報が含まれていることに配慮し、パスワードで保護した窯業同窓会 会誌電子版目次での閲覧と致しました。

最後に会員の皆様へのお願いですが、窯業同窓会会誌の第6号 (1961年頃) については、現存する印刷物が見つからずに欠番となっています。もし会員のお手元に残っておりましたら、ご連絡を頂ければありがたく思います。なお、第15号 (1979年) の印刷物はこの8月に発見されましたので、OCRを行って掲載する準備を進めています。