国際単位系のあれこれ17
SI接頭語
単位を使いやすくするために10進の倍量及び分量として20の接頭語が決められています。デシリットルのd、センチメートルのc、ヘクタールのh、その他k、m(ミリ)、µ(マイクロ)などは今までも身近で見てきたと思います。今決められている全ては、
倍量 名称 記号 分量 名称 記号
1024 ヨタ Y 10-24 ヨクト y
1021 ゼタ Z 10-21 ゼプト z
1018 エクサ E 10-18 アト a
1015 ペタ P 10-15 フェムトf
1012 テラ T 10-12 ピコ p
109 ギガ G 10-9 ナノ n
106 メガ M 10-6 マイクロµ
103 キロ k 10-3 ミリ m
102 ヘクト h 10-2 センチ c
101 デカ da 10-1 デシ d
となっています。
この中で、1000倍の関係になっているものがふつう使われています。100倍、10倍、1/10、1/100などの部分は細かく決まっています。
普段、日本ではセンチは長さにしか使っていないのですが、そのような制約はないので何に使っても構いません。ヨーロッパではセンチリットル(記号cl)が良く使われています。ただしそれで相手に伝えられなかったらうまくありませんので注意して使うことは必要です。天気予報ではヘクトパスカル(記号hPa)が使われています。これは従来使われていたミリバール(記号mbar)と正確に同じ値となり都合がいいので使われています。気象以外では気体の圧力にはPa、kPa、MPaなどが良く使われています。
仕事で使う人は1気圧(1 atm)は概略100 kPaあるいは0.1 MPaとつかんでおくと有益です。
2022年には更に大きな量や小さな量に対して共通に表現できるように新たに下記のSI接頭語が決められたとのことなので、規格も改訂していくと考えます。
倍量 名称 記号 分量 名称 記号
1030 クエタ Q 10-30 クエクト q
1027 ロナ R 10-27 ロント r
パソコンなどの情報処理ではよくGB(ギガバイト)などSI接頭語を使った表現がありますが、2014年の規格改正で使用が禁止されました。今まで210が1 024と1 000に近いことからk、M、G、T、Pとの接頭語を使っていました。しかし、不正確な値なので別の接頭語が決められました。
倍量 名称 記号
(210)8 ヨビ Yi
(210)7 ゼビ Zi
(210)6 エクスビ Ei
(210)5 ペビ Pi
(210)4 テビ Ti
(210)3 ギビ Gi
(210)2 メビ Mi
(210)1 キビ Ki
これが情報処理の分野でどのように使われていくかはまだ分かりませんが、頭の片隅にでも入れておいてください。