合気道の合気のお話: ① はじめに

合気道エッセイ その1

 「技術英会話エッセイ」を無機材会のホームページに1日1回,113回連続でアップしてきました。現在は内容をときどきチェックし手直しています。
 さて,こんどはかなり趣を変えて,合気道についてお話していきたいと思います。
 合気道の名前は頭の片隅にあっても具体的にどのような武道なのかを知っている人は多くないと思います。私が合気道を始めたのは大学へ入学し合気道部に入部したのがきっかけです。高校時代に剣道をしていましたが,体術の武道をしたく合気道を選びました。入部したときはすでに同好会から正式な大学の体育会系クラブとして承認されて合気道部となっていました。入学年次は1972年ですので東工大で同好会として合気道の活動を開始した1966年11月から数えて六代目で,数年前に1969年創部50周年の催しが130名以上のOB,OG参加のもと大岡山駅前の東工大蔵前会館で盛大に行われました。その中で大学時代から合気道をつづけている人はわずか数名でその中の一人が私です。無機材料工学科卒業後も会社での勤務のかたわら合気道をつづけ,技術英会話エッセイでもお話しましたように米国ペンシルバニア州立大学留学中オーストラリア駐在時も継続し,現在も日本や海外で合気道の指導・稽古をしています。

ペンシルバニア州立大学 合気道部

 ここでは,理系の人かつ合気道にまったく触れたこともない人に,合気道の面白さをわかってもらえるようにいろいろな面白話をしながら進めていきます。格闘技や野球などの観戦で選手の体の使い方の理解に役立つかもしれません。

 合気道もほかのスポーツと同じようにやり方やルールを知らないとできません。合気道の技を習得したい人はやはり道場へ通って稽古が必要ですが,ここでは,一通り合気道の技を習得したあとにある合気道の深奥(極意)について,先取りしてわかりやすくお話しようと思います。「気」を使ってなどというサイキックな話では全然ありません。「気」を使ってなどという言葉を発する人は,たいてい合気道の深奥を理解していないと思っていいと思います。理系ですから原理の説明をしっかりかつ実際にやって見せないと誰もついてきません。100kg超の人を投げたり,身長2mちかい人を床にダイレクトに落としたり,目の前で実際見せて体現しないと信用できないですよね。原理の方は簡単で中学3年の理科,高校1年生の物理の知識で十分ですので,理系の人には容易に理解できます。

 ここでは,合気道を知らない人でも理解できる極意の内容を,面白経験談や面白トピックスを交え,あっちこっちに飛んでお話ししようと思います。

オーストラリアNSW合気会

合気道エッセイがある程度継続したら技術英会話のように目次を作っていきたいと思っていましたが,ついに合気道エッセイの目次もできました。

では,スタートです。

高橋達人 tatsuaiki7@gmail.com