技術英会話エッセイ: 参考にならない英語遍歴 その12 ペンシルバニア州立大学合気道部
英語がお上手な人はパスしてくださいね。
(米国での合気道)
留学の最中に,合気道ができるとは思ってもいませんでした。現在,世界140万人の合気道の稽古人がいる合気道も,当時は合気道の名前こそ米国で広まっていましたが,合気道がメインの映画,スティーブン・セガールの「刑事ニコ/法の死角 (Above the Law)」 (1988)はまだできていません。「空手キッド」や「忍者タートル」が武道ブームを引き起こしていた時代でした。
新学年が9月に始まり,大学に合気道部があることをポスターで知って,早速見学にいきました。日本からの留学生がまとめ役で,合気道部を運営していましたが,彼も日本で合気道の経験があるわけでなく,ペンステートの合気道部は指導者がいない状態で初めは合気道の本を見ながらの稽古だったとのことでした。合気道参段だった私の参加に,皆大喜びでした。合気道部の一人は「君の会社は凄いね。合気道の先生を送ってくるんだ」と。さっそく日本に連絡し道着を航空便で送ってもらいました。
合気道をやっていたおかげで,大学での学業とは別に,多くの友達ができました。合気道に対し,こちらの人はリスペクトをもって接してくれて,合気道をやっていてよかったと実感しました。
(ペンステートを離れるときのお別れ会)
あっという間の1年半,帰国の準備をする中で合気道部でお別れの会をするので,道場に来てと呼び出しがありました。道場では合気道の部員が入口から左右に正座し並んでいます。みんなで座礼するから,その間を歩いてとリクエスト。合気道部の人たちは日本の映画の見過ぎかもしれませんが,感謝を表す儀式としてやるとの話にびっくりです。
(ハグ)
歩き終わると今度は,部員の女性が抱きついてきます。その当時は,今のようにハグ hug /ハァッグ/ する習慣は日本で知られておらず,当然,私も知りませんでした。女性から抱きつかれるなど経験したことがなく,したがってこちらはびっくりしてのけぞってしまいました。それをみて周りは大笑いです。
その時に記念にもらったのは,道場で私の指導をビデオ撮影したVHSビデオです。三十数年前の私がそこに映っています。
ではでは。
高橋達人 tatsudoc@nifty.com