技術英会話エッセイ: 参考にならない英語遍歴 その2 留学準備
英語がお上手な人はパスしてくださいね。
<留学候補>
留学希望者が多いことから,だんだん留学する年齢が上がっていき,上限の35歳近くが会社から留学するタイミングとなっていました。しばらくして,「高橋がまだ留学希望があるなら,留学はどうか」と上司から聞かれ,びっくり。行先と留学先で何をするかを示さなければなりません。学部卒業だったこともあり,修士課程で留学すれば,留学先の先生が研究テーマを決めてくれる。これが楽ちん。でも卒業できなかったら面目がたたずやばい。
次の選択しとして研究生として,研究テーマを考えて関連する留学先へいく。会社と受け入れ先に納得させれる研究テーマを考えるのが大変。最終的に,修士課程のマスターで留学することとしました。ところがアメリカの大学はTOEFLの試験が必須で,会社からTOEFLの点数が大学の基準に満足しなければ留学は取り消しとの話になり,TOEFL試験対策が当面の目標になりました。
<TOEFL>
現在と異なり,当時のTOEFLは偏差値の10倍表示だったと思います。関連するセラミック分野の大学のTOEFLの下限が,MITが600,ペンステートが550,ラトガースが500でした。大学によっては,カーネギーメロン大学のように630のところもあります。
TOEFLは3つの分野に分かれていて,文法,読解,ヒヤリングだったと思います。文法は満点,読解もそこそこ満点とっても,ヒヤリングがほとんどドベです。結局,500がいいとこです。
加えて今度は,所属する分野の上司からペンステートでないとだめとのダメ出し。TOEFLで550とらないといけません。ペンステートとは,ペンシルバニア州立大学で,米国で東海岸にあるかなり大きめの州立大学です。セラミックス関連では有名で,卒業した東工大の無機材料工学科からも多くの先生方がポスドクとして留学していました。その先生方に推薦状をお願いできます。会社としても恰好をつけるためにもペンステートでないとの話は理解しても,TOEFLの試験を受けるのは私です。
TOEFLの試験をみてびっくりしたのは,考えてみればあたりまえですが,試験を受ける注意書きからすべて英語,問題もすべて英語。今までの日本の英語の試験はなんだったのだと思わずにいられません。試験を何度か受けるにしたがってコツもわかり,点数も上がってきます。ようやく,570点越えの点数でTOEFLはOKとなりました。
TOEFLの勉強用に,米国で出されている教科書と問題集をやりましたが,文法は本当に簡単。英語で会話する国々の人に対する文法なので,我々,日本人は簡単です。読解も文になれてくればやり方もわかってこれも簡単。やり方は,質問文を先に理解してから本文を読めば,答えはそこに書いてあります。ヒヤリングは全くだめ。今では信じられないことですが当時の中学,高校の先生は英語をしゃべれないし,先のエッセイでお話ししたように会社に入るまで,英語の音に触れるチャンスが極めて少ない環境にいました。会社の英会話教室で,ようやく米国人教師から聴く英語がほとんどすべてでした。そのレベルでの受験です。
<GRE>
TOEFLが終わるとGREです。GREは,Graduate Record Examination の略で,米国で文系,理系関係なく,また現地米国人,留学生関係なく,大学院で修士号,博士号を取得するための必須のテストです。数学,科学の試験レベルは,理系の高校卒業程度。国語をのぞいて,これはすべて満点とれます。国語のレベルは,TOEFLで評価されると割り切りました。米国人と同じテストで出来るはずがない。なお,理系・文系の区別があるのは日本だけ,文系にやさしいですね,日本は。このGREの試験も説明から問題まですべて英語,やはり,問題集で事前に英語を勉強しておかないとぶっつけ本番では,普通の人はドボンです。
ではでは。
高橋達人 tatsudoc@nifty.com