たつひとの富士山 その17:富士山剣ヶ峰3776mに初登頂できました

富士宮口からゆっくり登山で3776mに

富士宮口ルート山小屋 (サンシャインツアーWebサイトから)

 昨年は,吉田口ルートで富士山頂上に登頂するも,横殴りの雨で動きが取れず,富士山最高峰の剣ヶ峰まで行くことがかないませんでした。今年は7月に富士宮口ルートで富士山の山頂を目指しましたが,こんどは体調不良のために六合目でダウン,六合目の雲海荘で一晩横になっていました。

 それから1ヶ月,体調も回復したことから,再度富士宮口ルートで,山頂を目指しました。今回は,前日,深夜23:30に新宿をツアーバスで出発,富士宮の温泉花の湯で仮眠した後,五合目から9時に登山開始しました。途中,新七合目御来光山荘富士宮焼きそばの昼食と休憩を取り,午後1時に再出発,夕方に九合五勺胸突山荘に到着しました。ここまでの登山のあいだ,下からガスが追いかけてくるものの時折,富士宮の町や駿河湾が見え,登山としてはよい日和でした。夜には満天の星空をみることができました。

 ところが翌日の日の出の時刻,あと300mのぼると富士宮口山頂なのに,雲,ガスで,周囲は見えず,したがい,ご来光も拝むことができずに,雨の中を山頂を目指しました。宿泊した山小屋のチェックアウトはなんと朝5時で,朝食としてもらったお弁当を5時前に山荘内で食べて出発です。
 富士宮口頂上には朝5時39分に到着。

霧の中の日本最高峰富士山剣ヶ峰3776mの標識

 富士山頂にある神社には,富士山最高峰の剣ヶ峰へ上った後にお参りするとして,そのまま剣ヶ峰に向かいました。周りはやはりガスの中,雨降りの中を日本最高峰3776mの地点に2023年8月23日 (水) 午前6時に立つことができました。剣ヶ峰への登頂を来年に延ばさず,今年中にこの剣ヶ峰までこれたことはうれしいことです。

 剣ヶ峰から富士宮口頂上へ戻り,頂上浅間大社奥宮にお参りしました。年配者はここで記帳することができます。去年はすでに神社は閉まっていて,今回は最初の記帳で,「高齢登拝者名簿」には参拝の回数を入れる欄があり第1回目と記入しました。記帳とともに,かわらけ (土器/素焼きの土器)にお神酒をいただき,その後お酒をいただいたかわらけを富士山の火口へ投げ入れることができます。それにより穢れを落とすということですが,穢れといわれてもピントこないですが,せっかくですのでかわらけを投げ入れてきました。ただし,ガスの中,火口が見えません。かわらけが円盤のように飛んでいくイメージでしたが,強風にあおられ縦になり火口へ落ちていきました。来年は,火口をしっかり見ながら,かわらけをそこへきちっと投げ入れることができるといいです。さらに,神社では扇子をいただきました。この扇子に御朱印をいただくこともできたのですが,それは家に帰ってからネットで知りました。

 朝5時から行動したので,下山に十分時間があります。富士宮口山頂の山小屋,頂上富士館で500円のコーヒーを,九合目万年雪山荘で600円のカップヌードルを,そして元祖七合目山口山荘ではおしるこを食べてゆっくり降りてきましたが,五合目にはお昼に到着してしまいました。運よくshuttleバスで富士宮へ戻ることができ,富士宮の「花の湯」でゆっくり温泉につかり帰ってきました。

今年の富士登山を思い返して

 7月中旬の体調不良による登山断念で,名称を宝永山ツアーに変更,リハビリのために,7月31日スバルライン三合目から五合目までのトレッキングをし,最初の体調不良から1ヶ月後に,ゆっくりペースで富士山の頂上を目指しました。
 まずは,台風7号が8月17日には関東,本州から抜け,その影響がないことを見越して富士登山ツアーを申し込みました。ところがその後,富士山の山の天気はコロコロ変わりはらはらどきどきで出発当日を迎えました。

 今回の登山開始地点の富士宮五合目の標高は2400mで富士山の五合目としては,四つある登山口で最も高い位置にあります。この富士宮五合目から頂上の剣ヶ峰3776mまでの高度差は1,376m,駅の階段で換算すると6,255段になります。

 計画では,まず,標高2400mの五合目の駐車場からゆっくりと2490mの六合目の前回お世話になった雲海荘さん前で休憩して体を周囲の気圧に慣らします。五合目を8時半,六合目を9時に出発し,そこから2780mの新七合目の御来光山荘で昼食と休憩をとります。午後1時に山荘を出発して,無理をせずにゆっくりとスマホで景色の写真を撮りながら宿泊先の山小屋,標高3590mの九合五勺の胸突山荘をめざします。ここまではほぼ計画通りに登れました。

 次の日の計画は,山荘でご来光を迎えた後,朝食をとり7時に富士宮口ルート頂上へ向かいます。風などが強くなければ,剣ヶ峰をめざします。剣ヶ峰のあとは,開いていれば富士山頂上浅間大社奥宮をお参りしてから下山です。下山は登りと同じ富士宮ルートで降りてきます。午後3時を目標に五合目までゆっくりゆっくりと降りていきらます。ところが雲の中,ガスでご来光を見れず雨降りの中の登山となりました。

体調不良と高山病

富士山山頂の気圧は,年間平均638hPaとのこと,地上の6割近くしかありません。したがって空気中の酸素も,普段吸っている量の2/3です。当然,酸素不足になります。

 富士山に登る人はほとんど皆高山病になっているのだそうで,ただ,その程度により頭痛等の症状がでてくるのだそうです。夜,眠れなくなるのも症状の一つだそうで,九合五勺の山小屋で夜,しんどい思いをして登ってきて体は疲れているだろうに寝付かれなかったのは,ひっとすると高山病,ここで断念するのかなと不安になりましたが,朝には問題なく動けたので登頂を目指すことができました。九合五勺は標高3590mで,剣ヶ峰まで高度にして200mもありません。ここで大丈夫なら登頂まで高山病に関しては大丈夫です。

 計画では,これだけゆっくり登山でも途中また体調不良になったら即撤退です。前回の体調不良から抜け出るのに3週間かかりましたので,今年は断念し,来年に再トライと思っていました。9月のフィリピンでの合気道ツアーに備えなければなりません。今回,剣ヶ峰まで登ることができてほんとうによかったです。

富士登山装備

 二日目は九合五勺から山頂,下山の最中,ずっと雨の中でした。しっかり雨具の準備をしていたのでそのテストも兼ねることができました。
 雨具の上着,レインジャケットはモンベル ストームクルーザー,このモンベルのストームジャケットは評判通り,優れもので上半身は濡れることはありませんでした。布地はゴアテックスで,ポケットにスマホを入れていて,ポケットを半開きしていたため,中は水がたまっていて,そこにスマホが浸かって,一応,防水のiPhoneですが,下山途中からヤマップのナビがストップしてしまいました。充電しようにも電源の差込口に「液体侵入」の表示で充電もできずに,修理が必要かと頭をかすめましたが時間経過でその液体も蒸発して無事復活,よかったです。
 雨具のズボンの方は,モンベル製レインパンツは高価なので,家の近くのワークマンで購入したレインパンツストレッチです。これも十分機能を果たしてくれました。手袋は,同じくワークマンの防水手袋,これも十分でした。防水手袋は安価でしたが持って行ってよかったです。ほんとうにワークマンはリーズナブルでよろしいです。

富士山の歩き方

 富士山のガイドさんの歩き方が,たぶん基本と思います。かなりの人が腕組みをしながら集団の先頭を歩いています。この腕組みは腕を振ることによるエネルギーの消費を抑えるとのこと。歩幅を小さくして,あまり足を持ち上げず,靴全体で踏みしめて,ゆっくり亀のように歩いていきます。歩幅を小さく,靴全体で踏みしめてコンスタントに歩くことが結果的に早く登ることになるそうです。
 当方は,普通に歩いて息切れて一休み,その繰り返しで上っていきます。一息のタイミングは,絶好のシャッターチャンスの場所がある場所に合わせるようにしています。頭には上記の富士山の歩き方があるのでその内,取得できるかもしれませんね。
 

来年2024年の富士登山

 来年は,プリンスルートから御殿場ルートをトライしようと思っています。
御殿場口ルートの御殿場口新五合目は標高1450mと,富士山登山口としては最も低く,山頂までの標高差2,250mで,登山に多くの時間と体力を取られます。そこで,今年の登山口,4ルート中で最も登山口として標高の高い富士宮口五合目2400mを出発,宝永火口を経由して御殿場ルートの六合目で御殿場ルートに合流し,そこから登頂を目指します。下山は御殿場ルートの大砂走りを御殿場口新五合目 (標高1450m) へ下るコースを考えています。
  登り: プリンスルート/富士宮口新五合目→富士宮口六合目→宝永火口→御殿場口ルート六合目
      →御殿場口ルート頂上→剣ヶ峰→頂上浅間大社奥宮参拝
  下り: 御殿場口ルート頂上→御殿場ルート下山道→大砂走り→御殿場口新五合目

 富士山トレッキングから離れて,これから10日後に迫ったフィリピンでの合気道の準備に注力します。

たつひとの富士山 目次

ではでは。

高橋達人 tatsudoc@nifty.com