たつひとの富士山 その20:2024年 三年目の富士登山
今年の富士山の山開き前は,通行料徴収の話題でにぎわっていました。個人的には昨年の六合目での高山病と思われる体調不良を反省して,6月の宝永山登山で,少しは高山でのトレーニングができたかなと思っていたところ,6月下旬になって,捜索願いを発端に雪が残る富士山火口で3名の方がなくなっているのが見つかりました。気持ち的にドキです。さらに富士山の天候も大荒れで,7月16日の富士登山へ無事に出発できるのかやきもき,半分は諦め気分で,だめなら昨年同様,7月下旬か8月に再トライしようと思っていました。しかし,幸いなことに今回もいつもお世話になっているバスツアーで,何とか新宿から出発することができました。
悪天候直後の富士登山
今回のツアーは,バスツアーの中でもっとも緩い山小屋二泊の行程で,一人で登るプランを選択しました。私の場合,半歩づつ登る坦々としたのぼり方は,性に合わないようで,登っては休み,スマホで写真をとり,また歩き出すスタイルで,一人でのフリープランが良いようです。今回も昨年同様,富士宮口ルートですので,山梨県側の吉田口ルートのような通行料の徴収はまだなく,協力金1000円のみを払って出発です。富士宮口五合目出発は15時半,五合目は標高2400mで,ここから他のガイド付きのバスツアーの人たちと別れて,まずは六合目の宝永山荘でツアーが用意してくれていたお弁当の夕食とりです。富士山の上の方は,まだかなり荒れている様子で,山荘の中には退避して様子を見ているグループもちらほらといました。中には六合目で宿泊ができないか尋ねる人もいます。この富士宮ルートの山開きは7月10日ですから,ほんの1週間前のルートオープンです。「7月の方が8月より天候が良い」との友人のサジェッションは,「梅雨が明けた後」の前言葉があったことに,このとき気づく脳天気さです。
登りながら気づいたことは,登山道の整備で多数使用している鉄のバーの先端が,山頂まですべてきれいに丸く処理されていることでした。昨年は,先端が切りっぱなしでずいぶんと危ないなとの感想を持っていただけに少しびっくりしました。昨年,なんかのトラブルがあり改善されたのではと思いました。
少し天候が好転したようなので,当日の宿泊所の元祖七合目標高3010mの山口山荘へ目指して出発,標高2490mの六合目から目指す元祖七合目との高度差は520mです。たどり着いた七合目の宿は,上の山小屋に予約していたものの,悪天候のためそれ以上上に登れない人で満員状態です。ここの山口山荘のトイレは,新式のもので快適でした。脳天を突き刺すような匂いのただよう旧式のものがある山小屋もありますからラッキーでした。
富士山九合五勺
いつものごとく,陽が登ってから山小屋をゆっくりと出発します。途中の山小屋で,「今回の富士登山はここまで」とガイドの人が告げているのに出会いました。前日に上の山荘までたどりつけず下の山小屋に宿泊したグループが,帰りの時刻を計算しての最高地点がこの九合五勺の山小屋で,標高は3590mです。もう少しで山頂ですが,ガイドさんは「日本でこの位置より高いのは富士山頂だけです」となぐさめていました。
晴れた剣ヶ峰
富士宮口山頂の富士浅間神社奥宮にお参りし,記帳といただいた扇子に御朱印を押していただきました。昨年は,濃霧の中でしたが,今年は富士山火口の底までバッチリ見えました。ただし,いただくお神酒を注いでもらったかわらけ (釉をかけていない素焼きの陶器) をご神体の火口に投げ入れる試みは,今年もかわらけが縦になって火口に落ちていきました。円盤が飛ぶように格好よく投げれるのは何年後のことでしょうか。
昨年は濃霧(雲)の中でしたので景色は全く見えませんでしたが,今年は晴れた富士山の剣ヶ峰 3776mに立つことができました。
富士山山頂をぐるっと回る「お鉢巡り」もすることができ,よかったです。途中,今年初めての雪,残雪ですが触ることもできました。剣ヶ峰から時計回りにで回ったお鉢巡りは吉田口山頂までは,比較的スムーズでした。吉田口山頂にある山小屋の扇屋では,2年前,初めての富士山山頂で,途中の山小屋で山荘の人に勧められて,雨具を預けてきた結果,山頂での突然の嵐に,ビニール雨具を買ったところです。今回は,扇屋さんの名前の入った「富士山 登頂記念のタオル」を日付入りで購入しました。実はこのタオルはアミノバイタルのオマケだそうで,オマケのついでにメインのアミノバイタルも一緒にもらいました。
吉田口頂上から天候が崩れ出し,吉田口山頂から富士宮口へ向かう「お鉢巡り」は思ったより,スムーズではありませんでした。この日の宿は,頂上富士館に宿泊しました。翌日の御来光ですが,山頂だからといってどこでもご来光を見れるわけではなく,地形上,ご来光が見える場所が限られていることを初めて知りました。頂上でご来光を見れる場所は前もって知らないと一度しか登らない人には残念なことになってしまいます。おすすめは,吉田口ルートの登山道の途中にある山小屋からみるご来光で十分堪能できます。
プリンセスルートで下山
帰りは,プリンセスルートを通り下山しました。プリンセスルートは,今上天皇が,皇太子殿下の時,2008年8月7日から8日にかけて富士登山をされた時に利用されたルートです。このルートで,宝永山経由で,富士宮口まで下山しました。
富士宮口五合目からは,バスで富士宮市にある富嶽温泉花の湯に向かい,温泉にゆったりとつかった後,昼食をとり,羽田空港でバスを下ろしてもらって帰宅です。
以上,2024年の富士登山の報告でした。
来年の富士登山
今年は,10月にはもう2025年の富士登山ツアーの案内がメールで届きました。来年は,山梨側の吉田口ルートにするか,今年と同じ富士宮ルートにするか思案中です。来年は富士宮ルートも入山料(通行料)を徴収するとの話が流れています。吉田口ルートは,山小屋から東方向に開けていて日の出を見ることができます。富士宮ルートでは,ルート向きが南向きで,登山道からご来光をみるにはいまいちですが,何となく富士宮ルートが気に入っています。吉田口ルートが整備されすぎているからかもしれませんし,富士宮口山頂に奥宮の神社があるからかもしれません。なお,富士山吉田口山頂には,久須志くすし神社があります。富士山本宮浅間大社の奥宮の末社になります。
先日,来年の予定は予約を先延ばししても同じことなので,今年の7月半ばから少し遅らして,梅雨が上がっているだろう7月最終週で四回目の富士登山ツアーに予約を入れました。今年と同じマイペースで登れる二泊三日です。来年は,富士宮ルートで登下山する予定でいます。
ではでは。
高橋達人 tatsudoc@nifty.com