豊橋さんぽ(No.11 マンホールの蓋)
10月は手筒花火を中心にしたお祭りが市内各地域で行われ、何となく街中がざわついていましたが、この賑わいも11月2日の”炎の祭典”をもって終了し、街中は以前の静けさを感じられるようになりました。散歩をしていると、季節の移ろいを肌で感じることができますね。朝晩は確かに涼しさを感じることができるようになり、木々の紅葉も進んできましたが、晴れた日の日差しはまだまだ強く、歩いていて汗をかくことも多いです。
散歩をしている際には、ただ漫然と歩いているのではなく、車に気を付けながらも常に周囲や通行人を観察するようにしています。これが意外と面白く、色々な発見に繋がります。これまでにも、横断歩道で大部分の車が止まってくれるとか、市の中心地区では電線の地下化が進んでいるとか、歩道が広くてそのようなところでは歩行者の通るところと自転車が走るところが分けられているとか、溝口付近で感じていたこととは違う点について折に触れて紹介してきましたが、今回は歩道の所々にあるマンホールの蓋に着目してみましょう。かっては、マンホールの蓋は各自治体ごとに一律同じデザインであったと記憶していますが、今は様々なデザインの蓋が使われるようになりました。豊橋市内にもマンホールの蓋を鋳造している会社がありますが、色々なデザインの製品を作れるようになったのは、会社としてもやりがいがあるように思います。このように色々なデザインの蓋が造られるようになったことから、いつでしたかテレビで、各市町村にあるマンホールの蓋を撮影し、コレクションしている人を紹介している場面を観たことが有ります。世の中にはなんでもコレクションしようとする人が一定数いるようです。私自身にはそんな趣味はありませんが、せっかく街の中の様々な場所を散歩しているので、私も散歩しながら見つけた様々なデザインのマンホールの蓋を撮影してきましたので、その代表的なものを紹介することにします。
上の図に示したのが豊橋市に見られるマンホールの蓋の主なデザインです。図の上段の3つは標準的なデザインで、市内の全域でよく見られるタイプです。まず、左の蓋は市内電車と公会堂に市の花であるつつじをあしらっています。この蓋は、まさにその公会堂の正面玄関の歩道にあったもので、まだ製造時の色が残っているところから、比較的新しく設置されたものと思われます。次に真ん中の蓋は吉田城の鉄櫓(くろがねやぐら)を背景に手筒花火をあげているデザインです(ここにも手筒花火が出てきますね)。足元に緩く波打った線が入っているところは豊川をイメージしているのかもしれません。さらに右の蓋は豊橋港をあしらったデザインです。市外の人にはあまり知られてはいないと思いますが、豊橋港(正確には三河港)からはトヨタやスズキの車が輸出されたり、フォルクスワーゲンなどのドイツ車が輸入されているため、その取扱量が非常に多い港です。
一方、下段の蓋は一点ものです。なぜかポケモンをデザインしたものが豊橋公園にありました。また、真ん中の蓋は古関裕而さんの一生を取り上げた朝ドラの”エール”にちなんだデザインで、主人公の奥さんの古関金子さん(豊橋市の出身)を漫画化しています。さらに、右の蓋は最近増えてきた企業の宣伝を兼ねたものです。ここでは、体操の内村選手が好きだという事からブレークした有明製菓の”ブラックサンダー”をデザインした蓋を一例として示しました。この手のデザインのマンホールの蓋は、上下水道局にとっては、多少なりとも広告料が入ってくるので今後ますます増えていくものと思われます。
歩道にはこの他にも消防の消火栓もあり、下に示すように2つのデザインのものがあります。ここでも手筒花火が描かれていますが、なんかマッチポンプのような関係で変な感じですね… (岡田清)