たつひとの富士山 その23:富士山まぼろしの滝と今年の富士山入山料

今年で毎年夏の富士登山は4年目,4回目となります。初回は,富士急行の富士山駅から馬返し,五合目,七合目,登頂と四日間かけて登りました。これなら大丈夫と2年目は,すこし甘く考えていて富士宮口五合目から登頂開始で,六合目でドボン。山小屋で翌朝まで寝ることに。そこで,吉田側スバルライン三合目から五合目までの足慣らし,体ならしをして,再度8月にトライし,ようやく2回目の富士山登頂を果たし,富士山本宮浅間大社奥宮に登拝できました。そして3年目の昨年は,事前に宝永山に登り,体を慣らして,無事山頂まで,登拝もすることがきました。
やはり,今年も富士山の薄い空気になれていないと2年前の悪夢の再来になります。今年は須走口 すばしりぐち 五合目からアプローチする「まぼろしの滝」へのバスツアーに参加です。
2025年5月17日の富士山須走のまぼろしの滝は幻に
「まぼろしの滝」は,富士山の溶岩帯の上を雪解け水が流れることで滝となるもので,5月のこの時期にしか見ることができません。富士山は4層からできていて,現在は富士山や堅い3層目の上に,礫からなる4層目がかぶさってできてるので富士山に降る雨や,雪解け水はすべて,富士山に吸われてしまいます。そして,それが固い3層目の表面を伝って,わき出したのが忍野八海だったり,白糸の滝となって湧水として,湧き出てくるのです。出てくるまで数十年はかかるそうです。ただ,溶岩流がある須走口ちかくのこの部分にのみ雪解け水が吸い込まれずに溶岩の岩盤の上を流れ滝となるのをみることができます。

当日は,雨の降るなか東京駅丸の内ビル前から出発です。バスに乗っているのは36名。朝,富士山を小杉から見て出発を決めるのとは違い,日程が決まっているので,どうしようもありません。一日中,雨の予報で,一路,東名高速道路を御殿場に向け走行します。ひょっとすると前日,羽田に向かう飛行機から見た富士山のように,雲の上に須走口も飛び出しているかもしれないとの淡い気持ちをもって道の駅すばしりからふじあざみラインを登っていきます。その道ぞいの側溝は,滝のように水が流れ落ちていきます。車中で富士山で「滝」は見たとのつぶやきが聞こえます。
須走口五合目に着いて,東富士山荘で昼食,キノコの天ぷらに,キノコのお鍋,キノコご飯に,山菜の佃煮,これは家内もつれてこないというぐらい今まで参加したバスツアーで一番おいしかったです。このバス到着から食事の間は雨,風も弱まったものの,いざ出発となると再び,雨風が強まり,樹林帯の中はよいものの,そこを抜けると危険とのことで,急遽,まぼろしの滝へのトレッキングは中止,代わりに須走口の北にある小富士 こふじ へと行先が変更になりました。まぼろしの滝は,樹林帯をこえた南側にあって,当日の風は20m/s以上で,礫が飛んでくるほどの強さとのこと,安全をみての変更でした。まぼろしの滝は幻になり,来年のお楽しみになってしまいました。

行先が変更となった小富士は砂礫の台地で,富士講の祠 ほこら があり,晴れていれば富士山を正面に,また反対側には山中湖を望むことができるところです。樹林帯を歩き,途中,小さな滝も見ることができました。この辺は,修験道の修行の場だったそうです。須走口五合目周辺は歴史的な話が多くあり,富士登山の入口的な意味あいが強い吉田口や富士宮口とは違う趣があるとの話でした。小富士へ樹林帯をでるとそこは横殴りの雨の粒がレインウエアの上をたたきつけます。早々に引き返すことになりました。東富士山荘に戻っても天候が回復しないので,あたらめてまぼろしの滝行きは中止となりました。今回の目的は,体を薄い空気に慣らすことでしたので目的は達成できたと帰路につきました。
今回,仕入れた知識で,富士山周辺の浅間神社はすべての富士登山道の入口に鎮座しているとのことでした。なんでたくさんあるのかようやく知ることができました。
なお,静岡県での富士山の入山料は,5月から始まっているものの,須走口ではまぼろしの滝と小富士は対象外とのことでした。この静岡県側の今年2025年から始まった入山料について次にお話します。
2025年度 富士山入山料

昨年2024年シーズンの富士山の入山料は,山梨県側吉田口のみでしたが,今年から静岡県側も入山料がかかることになりました。富士登山ではかなり無茶なことをする人が多いことから,事前登録制の入山料もありかなと思います。入山料で富士山の保全ができたらそれはそれで嬉しいです。すでに今年の富士山の静岡県側の入山前の事前登録と入山料の納付の義務化は5月9日からはじまっています。山梨県側は,登山口は一つですが,静岡県側は富士宮口,須走口,御殿場口の三ヶ所になります。静岡県側は,県が定める基準点から山頂側に立ち入るすべての登山者は登録と入山料の納付がが必要になります。一入山 4000円で,マナーの事前学習を終えると入山証 (QRコード) がもらえます。なお,14時~早朝3時までの時間帯に入山する場合は,山小屋泊が必須となります。
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ではでは。
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高橋達人 tatsudoc@nifty.com