技術英会話メールマガジン:ワークとウォーク
英語がお上手な人はパスしてくださいね。
前々回と前回では「Narita」「right」の「r」の発音を取り上げ,「r」と「l」の発音の違いについてもお話しました。今回は「ワーク」と「ウォーク」です。カタカナはそのまま信じると「ウルトラ (ultra)」のようにひどい目にあってしまいます。ワークは,お店のワークマンやオーストラリアでのワーキングホリデーなど,生活の中でかなり頻繁に使います。ワークやウォークはほぼ日本語であるかのような使われ方ですね。それでは,このワーク/work とウォーク/walkの発音についてお話していきたいと思います。
仕事は,「匠 たくみ 」やその道の「人間国宝」が存在する日本と違い,西洋ではあまりよいイメージで思われていなくて,したがって「work」も濁った音になるとの話をどこかで聞きました。本当かどうかは知りません。なんとなくこれもメーキングされたお話ように感じますが,聞いた当人は,そうなのかと納得していました。「work」の中に「r」がありますので,「ウ」の口の形から母音のつかない「r」を発音します。「r」の文字の形が丸まっているので「口をすぼめる」イメージですが,これをYoutubeのある先生は「アヒル口 ぐち 」と言っていました。舌はどこにもつきません。
ここで,「work」と「walk」の音について,YouGlish を使って聞いてみたいと思います。
「work」も「right」と同じように,多くの数の音声例が載ってしてその数,1,151,650 例です,一方「walk」は120,129の音声の例が載っています。これもかなり多いですね。これらを比較して聞いてみましょう。
「work」の発音 https://youglish.com/pronounce/work/english?
「walk」の発音 https://youglish.com/pronounce/walk/english?
「walk」の方は,大丈夫だったでしょうか,日本のソニーの実力が米国で認められたのは,今はないカセットテープで歩きながら音楽を聴けるウォークマンからです。「walk」は「歩く」ですから,workと違い,楽しいイメージの音で発音するといいと,また誰かのメーキングの話を信じていました。「walk」は「l」が入っていますが,「l」は発音しません。辞書で確認してくださいね。
【コーヒーブレーク その1 】
ウォークについてしょうもない話をしますと,実は私はこのwalkがあるときから,苦手になりました。workが母音がついていない「r」が入っているのから,walkも母音がついていない「l」の音が入っていると勝手に辞書も調べずに思い込んでいました。その結果,walk が口からでなくなってしまったのです。現在では,先に述べたように「l」の音は入っていなのでお気楽に,発音できますが,でもまだ多少後遺症が残っています。原因は「ウルトラ (ultra)」で,カタカナに対しては疑心暗鬼になっていたにも関わらず,辞書で調べもしなかったことです。幼少時から海外の人からwalkの音をたくさん聞く環境にいれば,よかったのですが,日本語となっているウォークに不信感をもってしまったのですね。
テレビのコマーシャルで,カタカナになっていない英語の単語を日本語のカタカナぽく発音しているのに出くわすと,その商品を誰が買うものかと今でも反発を覚えます。
【コーヒーブレーク その2 】
このワーク/work とウォーク/walkの発音に,「米語では,英語では」という内容でYoutube動画が多数上がっていると思います。あまり神経質にならずに,Japanese accent (日本英語/日本訛り/日本語訛り/日本人の話す英語) で,コミュニケーション第一で,お気楽にやっていきましょうね。このページの頭にある「英語がお上手な人はパスしてくださいね」で英語がお上手な人は,ここにはいないはずですので。
それでも興味のある方は,YouGlish を使って,英語の方言を聞いてみてください。YouGlish では,United States,United Kingdom,Australia,Canada,Ireland,Scotland,New Zealand の発音 (方言/accent) を聞くことができます。残念ながら,Japanese accent はありません。
これだけ方言があるのに「米語だ,英語だ」とことさら言う人がいるのが不思議です。インド英語もフィリピン英語もあります。私も東京目黒の生まれで大学を卒業するまで,東京でした。その後,勤務地の関係で地方を転々した結果,日本語ですが東京弁とは程遠い日本語となっています。英語も同じと思いますけど。
(^-^)v
今日のお話はここまでです。
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無機材会 企画担当 高橋達人 tatsu.english@gmail.com
技術英会話: グーグルで「技術英会話」を検索すると,検索結果の1番目,2番目に筆者の「技術英会話」がヒットします。技術英会話はそれほどレアです。
筆者: 高橋達人 (たかはしたつひと) 大学時代の英語は東工大の学生レベル,30代前半で英語が不得手にもかかわらず米国の大学院へ会社派遣留学。真面目に勉強して1年半で修士卒業。会社生活の最終ステージで6年間豪州の現地会社に勤務。海外では勉学や仕事のかたわら合気道で体を動かし,現在は豪州,フィリピン,カンボジアで合気道を指導。
東工大 無機材会 企画担当副会長