国際単位系のあれこれ1
技術的な仕事をしているかどうかにかかわらず、ほとんどの方は毎日のようにメートル、秒、グラムなどの単位を使っていると思います。これらの単位にはいろいろな決まりがあります。しかしこの決まりがどうなっているかご存知の方は少ないのが実情です。そこで、単位についてのあれこれを書いてみようと思いました。お付き合い戴ければ幸いです。
無機材料の修士の講義で、教授から「これからはMKSAでなくSI ( 国際単位系 ) になると言われたのが出会いでした。そのことから本屋で「SI単位と物理・化学量」なる解説本を見つけました。この本は、IUPAC ( 国際純粋応用化学連合 ) で標準化を主導したM.L.McGlashan氏の著書を訳したもので、丁度講義で聞いたころの1974年に出版されたものでした。
そこから10年ほど経った頃、会社の図書館では驚くべき文章を見つけました。単位に関するJIS規格、多分 JIS Z 8203 の中だと思いますが、
「小数点はコンマである、ピリオドでも良い」
というものです。日本の規格で小数点がコンマになっていたのです。
ここでは、この単位との半世紀の長い付き合いで得たいろいろなお話をしようと思います。よろしくお願いします。
原 眞一