80歳にして自分の宗教探し?(#1/8:はじめに)

はじめに

 約50年前に私がドイツに留学した時、入管や住民登録に際して、宗教の記入を求められた事を思い出した。自分の宗教は神道なのか仏教なのか、どちらを書くべきか悩んだ。我が家の菩提寺は曹洞宗の守光院でお盆とか命日に墓参りをしており、正月と困った時には我が家の隣の神明社にお参りし、正月と「十二日まち」には調神社で破魔矢やカッコメを購入すると言った具合で、どちらとも決め切れない、いわゆる宗教音痴を露呈した。橋爪大三郎(東工大名誉教授)によると、日本人は宗教を必要とせず、世界の主要な宗教にも無理解なまま、何千年も過ごしてきた人種なのでそうだ。それでも何も困る事は無く、私も此迄80年間生きてきた。 

プロローグ

 自分の宗教探しの前に、日本人の起源に関してDNA解析から展開される新説がある事を知った。2023年12月6日のNHKの「フロンティア:日本人とは何者なのか」という番組である。日本人の起源は20万年前にアフリカで誕生した人類が、3万年前に1000人程度で東南アジアから陸路を伝って日本に移動した。氷河期の後日本列島が島国となって孤立し、その間1万年の間は他のDNAが入る事なく、人口25万人以上となって縄文文化を発展させた。縄文人のDNAを現在まで多く引き継いでいるのがアイヌ人のようである。弥生時代に入って東南アジアから渡来人が船で渡来し、融合(交雑)が起こって60万人となった。古墳時代になると、今度は東アジアからもっと沢山の第3のDNAが入ってきて人口も540万となり、江戸時代には3400万人、昭和の終わりには1億人を超えた。このようなDNAの変遷と宗教についても考えてみたい。

家内の実家は真言宗で、母親と高野山の宿坊に泊まって良かったと家内から聞き、私も行ってみたいとかねがね思っていた。5年前にBS4K放送がスタートし、NHKで「2時間で巡る***」が放送された。そのシリーズの中に伊勢神宮と高野山に加えて熊野古道も録画して有ったのを見つけ出した。これにより宗教探訪の予習が出来たし、計画立案の助けに多いになった。80歳になってこれが最後と思って自動車運転免許の更新をした。そして、最後の長距離ドライブ旅行として紀伊半島一周旅行を計画した。

探訪計画検討開始

 初日は、新幹線と電車を乗り継いで、伊勢市に行き、徒歩で伊勢神宮の外宮と内宮を見物、2日目早朝にレンタカーを借りて、二見浦、熊野速玉大社、熊野那智大社、串本を経て南紀白浜温泉に宿を取る。3日目は、熊野本宮大社、高野山、4日目は高野山、和歌山城を見物して和歌山から新大阪を経由して帰宅という3泊4日、運転距離450kmと密度の高い計画である。この旅程を息子が見て、紀伊半島の真ん中の道は細いので、出来るだけ高速を使うようにとのアドバイスを貰った。しかし、ドライブには自信があったので強行する事にした。しかし、帰宅してから酷い肩凝りに遭うことになるなどとは・・・・。 

全8回に分けて話を進めます。

図1:紀伊半島ドライブ行程 (G-Mapより)

次回は5/14 伊勢神宮へ、毎週火曜日9時に公開 (無機材会 安田榮一) 戻る

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