Sunday Essay
人を動かす(その2)
生物の行動は遺伝的に組み込まれたものが基本だ.生まれたばかりの水鳥の雛は刷り込み(Imprinting)によって親鳥を追って歩くようになる.生まれた直後に見た大きな物体を親と認識するプログラムが遺伝子に組み込まれているか […]
人を動かす(その1)
カーネギー(Dale Breckenridge Carnegie)は1936年に著書「人を動かす(原題 : How to Win Friends and Influence People)」を出版した[1].話し方講座の […]
窯業の時代を回顧する
日本セラミックス協会の始まりは1891年に設立された窯工会だ.翌1892年には大日本窯業協会に名称変更され,1893年には代表者として品川弥二郎が初代会頭に就任した[1].品川弥二郎が死去した1900年には榎本武揚が第2 […]
熱素説と光の粒子説の興亡を振り返る
熱は物体間を移動して,物体の温度を変化させる.物体の温度が変化すれば物体は熱膨張を示す[注1].熱膨張は温度の尺度として利用される.寒暖計はその応用だ.寒暖計で温度を測定するためには温度目盛りを設定する必要がある[1]. […]
電気の世界に想いを馳せる
原子を構成する原子核も電子も電気を帯びているから現実の世界は電気に満ち溢れているのだが,電気の正体は永いこと露わにならなかった.正負の電荷はクーロン力で近づくのですぐに中和されてしまい,電気の存在はひっそりと隠されていた […]
オンネスとベドノルツに学ぶ大発見への道
デュワー(James Dewar)は1896年に水素の液化に成功し,オンネス(Heike Kamerlingh Onnes)は1908年にヘリウムの液化に成功した.そのデュワーは1898年に液体水素温度(約20K)までの […]
フェライト磁石と東工大(その2)
磁心に使われる軟磁性材料には鉄損の低いことが求められる.鉄損は交番磁界を与えたときのエネルギー損失だ.これは主に交番磁界によって磁壁が運動することによるヒステリシス損と磁心(鉄心)の中に生じる渦電流による損失からなる. […]
フェライト磁石と東工大(その1)
磁性材料の主な用途は永久磁石と電磁石や変圧器などの磁心だ.永久磁石はいったん磁化されるとその状態が長く保たれるタイプで,強力な永久磁石は保磁力と残留磁束密度が大きい.他方,電磁石や変圧器は磁心とそれに巻き付けて設置された […]
東工大のペロブスカイト研究と誘電体
コンデンサーやPTCサーミスタに応用されているチタン酸バリウム(BaTiO3)や代表的な圧電材料[注1]のPZT(PbZr1-xTixO3)はペロブスカイト型の結晶構造だ[1]. 高温超伝導体として20世紀末に急に脚光を […]
資本主義経済と市場介入
国家が経済を牛耳る計画経済に対し,国民が自由な経済取引を行う自由主義の経済をその対極とすると,その中間にはさまざまな経済システムが存在し得る.政府の介入を最小限に抑えた市場経済では経済活動の自由度が高いが,戦時中の統制経 […]