技術英会話エッセイ: 自分独自の発音記号

 英語がお上手な人はパスしてくださいね。

 辞書にのっていない単語で耳から聞いた発音をどのように記録していますか。特に,地名の発音は ネット辞書にも載っていないし,グーグルマップのカタカナ表記は,あるルールで作られているのでしょうがかなりひどいです。まったく役に立ちません。
聞いた発音を,まずはカタカナで,次いで漢字,わかっている英単語などにあてはめていきます。/ /は,発音記号の意味です。ここでは,自己発音記号独自発音記号と呼んでいます。

独自の自己発音記号を,シドニー近郊の駅名で例をあげならがら説明します。
【Cronulla駅】  Sydneyを中心としたCity RailのIllawara Lineの終点の「Cronulla」は,クロヌラと読めそうですが,電車内の放送案内ではクロナラ,クイナラと聞こえます。クルナラと言う人もいます。私の発音記号は,/黒奈良/,/食い奈良/,/来る奈良/です。

【Bulli駅】  また,SydneyからWollongongへ続くSouth Coast Lineの途中の町,Bulli駅は魚の「鰤(ブリ)」ではなくて,/ブライ,無らい/です。二音節なので前にアクセントがあります。キャプテンクックが船から陸をみて初めてオーストラリアで石炭を見つけた場所がこの駅の近くの海岸です。

【Corrimal駅】  Corrimal駅はコリマルよりは,/ラマル/,/まる/,//。

【Thirroul駅】  Wollongong駅からSydney駅に向かう途中の駅で Bulli駅 の一つ北側にThirroulという駅があって,日本人三大難発音の「th」「r」「l」からなっています。この発音記号は難しいです。まるごと覚えるしかありませんが,英語の組み合わせでは /throw 投げる+roll 丸める/です。チロルではありません。

【Bowral駅】  Southern Hightlandにある町「Bowral」は,「馬鹿野郎」を縮めた/ロゥ/で前にアクセントがあります。9月~10月のチューリップが有名です。南半球ですので時期が半年ずれます。

他人が付けたカタカナのふりがなはあまり発音に役に立ちませんが,自分でつけたカタカナなどの自己発音記号独自発音記号はすぐに発音を思い出し非常に有効です。
どんどん自己発音記号で単語の発音を記録し,自分独自の自己発音記号辞書を作りましょう。わたしの自分自身の自己発音記号は,たつひと流発音記号と呼んだりもしています。

【ついでの悲しいお話】
 オーストラリアに住んでいた町は,シドニー(Sydney)から南へ80kmの場所にあるウーロンゴン( Wollongong),駅はウーロンゴン駅,この駅で昔はシドニーまでの切符を買わないといけません。その時は,窓口で「シドニー」と行先を言って切符を買うか,切符の自動販売機で買うかの二通りです。窓口では,「シドニー」の発音が通じません。当時は発音の仕方が /スィ(d)ニー/とは知りません。自動販売機は,調子がおかしいとお金を食われます。シドニーでも日本のJRのスイカのようなカードができて本当によかったです。

 電車の線路は時々補修に入ります。この時はバスの代替輸送が行われます。シドニーへ行くときは,時刻とバスの行先をみて乗るのですが,帰りはいろいろな方面に向かうバスがシドニーの中心のセントラル駅に集合し,それに乗らないと帰れません。ウーロンゴン行きのバスかを係員に確認するのですが,悲しいことにウーロンゴンが通じません。不思議なことに,そのうちに,自分の「ウーロンゴン」が通じるようになっています。面白いですね。

ではでは。

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無機材会 企画担当 高橋達人 tatsu.english@gmail.com

技術英会話: グーグルで「技術英会話」と「”」「”」で囲って検索すると,検索結果の1番目,2番目に筆者の「技術英会話」がヒットします。技術英会話はそれほどレアです。

筆者: 高橋達人 (たかはしたつひと)  大学時代の英語は東工大の学生レベル,30代前半で英語が不得手にもかかわらず米国の大学院へ会社派遣留学。真面目に勉強して1年半で修士卒業。会社生活の最終ステージで 6 年間豪州の現地会社に勤務。海外では勉学や仕事のかたわら合気道で体を動かし,現在は豪州,フィリピン,カンボジアで合気道を指導。
東工大 無機材会 企画担当副会長