技術英会話エッセイ: ヒヤリングを上達させる方法は?

 英語がお上手な人はパスしてくださいね。

 ヒヤリングを上達させるには,耳を馴らすことです。米国のテレビドラマや映画などで,気に入ったものを見つけ,繰り返し聞いて耳に刷り込んでいきましょう。

 さらに英語は世界中で使われているので,色々な英語になれましょう。日本でも,地方により方言があり,言い方,アクセント等が違うように,米国,英国内でも色々な英語の方言があります。私のペンステート留学中の副指導教官は米国フロリダ大出身の先生で,ポリマーの話をしていた時にすぐに通じず「南部なまりで聞き取りにくくてごめん」と言われたことがあります。また,スコットランドのエジンバラのホテルに滞在したときにホテルの人に「訛りがあってごめん」と言われた経験があり,結構,英語が母国語の人でも土地の方言と標準とされる英語との差に悩んでいる人がいるんだなと少し安心しました。

 まして我々は英語が母国語の国から遠く離れて英語を学ぼうとしている日本人です。住んでいる土地が日本なんだから,英語がJapanse Englishから出発して当たり前。オーストラリア駐在中に日本に一時帰国した時に,ニューヨーク出身の人に「オーストラリアの英語はわからないだろ」といわれびっくりしました。「へェ~」です。ヒヤリングはその土地の英語の音になれるしかありませんね。

 ペンステート留学中はインドの友人も多かったので,インド英語はよく聞いていたためでしょうか,インドに出張に行ったときは,普通の英語として会話できました。米国の大学の教授は世界から学生を受け入れているので,どのような国の人の英語も聞き分け,理解していたのに関心しました。この先生の耳は,英語のヒヤリング関して「耳がダンボ」だなと思いました。

 色々な英語になれて「耳がダンボ」になるようにがんばりましょうね。

 耳がダンボ: 今はあまり使われなくなってしまったようです。ディズニーの漫画「ダンボ Dumbo」が発祥です。ダンボは小さい子供の象ですが,耳が大きくのが特徴です。そこで,ダンボの耳は「話をよく聞きとること」の表現として使用されていました。ここでは,英語のいろいろな方言を理解できることを「耳がダンボ」と表現しています。

 一方,英語を母国語として英語圏にずっといて,世界語としての英語に触れていない人は,音の聞き取り幅が狭いです。このような人が聞き取ってくれなかったら,その単語の発音は改善の余地ありです。通じる人だけに頼らず,通じない人にも通じるように,発音を改善するいい機会です。自分ではわからない「発音のレベル」を教えてくれているのですから。ただし,聞き取ってくれなかった人も,しばらくすると波長があって,話が通じるようになるから面白いです。

企画担当 高橋達人 tatsu.english@gmail.com