シドニー 鉄道の旅:オパールカード

【オパールカードができる前】
 2011年シドニーの南に80kmの地に,勤務となりました。ウーロンゴンという町です。当時,ここからシドニーに鉄道ででるには,駅の窓口で切符を購入するか,自動販売機で切符を買うかの方法で切符を入手しないといけません。切符を目的地まで買わないとシドニーでは違法となってしまいます。日本では乗り越し料金を下車駅で清算をすることができるという常識のことが,ここでは数万円の罰金です。頭に血が上りこれを裁判に訴えた日本の商社マンがいました。当然日本でないので負けます。まずいと気づき訴えを取り下げようと試みましたがそれは叶いません。前科がついてしまいます。その後,オーストラリアへの入国も難しくなってしまったかもしれません。
「日本の常識,世界の非常識。世界の常識,日本の非常識」との米国にいた時の格言を思い出します。海外では、一度立ち止まって「ここは日本でない」と考えるといいです。
 さて話を戻すと,技術英会話ですでにお話しましたが,駅の窓口で私の「シドニー」が通じません。多分,私だけでなくほとんどの日本人の「シドニー」は通じません。日本の航空会社のキャビンアテンダントさんの「シドニー」が乗客のオーストラリア人に通じないのですからしょうがないのですが。そこで対面でのこの悲しい経験から,自動切符販売機を使えばということを普通は思いますが,このマシーンは日本製ではありません。お金を入れたまま切符もお釣りも出てきません。これをウーロンゴンの駅で駅員さんに苦情を訴えるのは,できれば日本でも避けたいのに,まして英語で説明するのは嫌ですよね。
 この私にとっての窮地を救ってくれたのが,2014年登場のオパールカード (Opal)です。オパールは宝石のオパール/Opalと同じ綴りです。
 

これがオパールカードです。
サイズはクレジットカードと同じです。

【オパールカードができて】
 オパール (Opal) カードは,日本のスイカSuicaを思い浮かべればいいです。カードを乗車時に機械にタッチし,下車時に再びタッチします。これで乗り越しや乗り間違いの時,ドキドキしなくて良くなりました。日本のスイカと同じで,事前にお金をチャージしておきます。指定した額を下回ると自動でチャージすることもできます。

【さらに】
 日本では,JRに青春18きっぷがあって,期間限定ですが,5回乗れて一回当たり約2400円,全国JRの普通列車ならどこまでも行けます。青春18きっぷを期間中は便利に使って電車の旅を楽しんでいますが,なんとシドニーの電車区間では一年中,1日最高16.8ドル,1600円以下で乗り放題。しかも日曜は最大8.4ドル,さらに月曜日から日曜日の一週間の最大値も決まっていてこれが50ドルです。
 金額は2022年9月現在です。昔は日曜日は2.5ドルでした。過去から少しづつ値上がりしていますのでチェックしてくださいね。それでも安いです。

 しかも電車だけでなく,路面電車やバスも電車とオパールカードで同じ扱い。旅行好きの人にはたまらないです。さらにさらにシドニー周辺の旅客船,シドニーではフェリーと呼びますが,これも含まれます。すごいです。青春18きっぷとスイカと遊園地の一日券が一緒になったようなものです。豪州駐在の最後の方は,休みの日は,この一日シドニーツアーをオパールカードで楽しんでいました。
 ただし,鉄道の空港線は建設費償還のために別に料金16ドルがプラスされます。そこで,せこい話ですが空港ターミナルから最寄りの鉄道駅駅までバスを使います。バスですので,時間がかかりますがプラス料金が発生しません。バスから最寄りの駅から空港へ歩いている人を見たこともあります。

【さて】
 前回のシドニー訪問は2019年でした。しばらくはコロナ禍で国外へでることが叶いませんでしたが,この秋に3年ぶりにシドニーを合気道で訪問する予定です。その際,合気道の稽古の合間をぬって,このオパールカードを使い,昔と同様にシドニーと近郊の鉄道,バス,フェリーの旅をしたく思っています。

 今回,「シドニー 鉄道の旅」シリーズのまずはオパールカードの紹介でした,

ではまた。

高橋達人 tatsudoc@nifty.com

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