溝口さんぽ(No.15お寺さんー後編)

 3月も中旬に近くなって、急に暖かくなったことにより散歩コースの道端や民家の庭先にラッパ水仙、ミモザ、更にはつつじなど様々な花が咲き始めました。既に早咲きの桜は満開に近くなっていますので、この調子ではソメイヨシノ桜の開花も予想よりも早まるかもしれませんね。
 さて、前回は散歩コース付近にある寺院について前編として半分紹介しましたので、今月はその続きです。この辺りのことを知らない方にはとても退屈な内容になるかもしれませんが、辛抱して読んでいただければ嬉しいです。
 前回紹介した最後の地区、諏訪地区の隣にある北見方には真言宗智山派の白王山正福寺があります。この地区には諏訪地区の小黒家と同様にいくつかの大地主が居て、このお寺の有力な檀家になっているためか、大変立派な本堂を有しています。

北見方地区の真言宗正福寺の本堂


 北見方地区の西隣の坂戸地区には坂戸御嶽神社の近くに真言宗智山派の安養院、御嶽山真性寺があります。同じ宗派である北見方の正福寺と比べると寺域は広いのですが、建物的には少し質素な感じがします。
 坂戸地区のさらに西に位置する末長地区には天台宗の増幅寺があります。このお寺は下末吉台地の崖線に位置していますが、末長から北隣の久本地区まで崖線に沿って天台宗の龍台寺、浄土宗の大連寺などのお寺が点々と存在しています。前回紹介した宗隆寺や淨元寺も同じ崖線上に建てられています。私の恩師である、岩井先生が言っていた「神社仏閣は自然災害の被害にあいにくいところに建てられていることが多い。」の言葉を思い出します。
 さて、最後に紹介するのは下作延地区ですが、こちらには高津区で一番有名なお寺、真言宗醍醐派総本山で醍醐寺別格本山の大明王院があります。一般には身代わり不動尊と呼ばれており、多くの信仰を集めています。特に交通安全のご利益が有名なようです。最寄り駅は梶が谷ですが、このお寺も平瀬川(多摩川の支流)がつくった下末吉台地の谷地形の崖線に立地しています。寺域はそれほど広くありませんが、参拝者が多いためか駐車場が半分以上の面積を占めています。本堂は下の写真にありますように朱塗りの立派な建物です。

下作延地区にある大明王院の本堂


 下作延地区には身代わり不動尊とは反対側の崖線位置に曹洞宗の円福寺もあります。こちらは少し引っ込んだような位置にあるので地味ですが、静かで落ち着ける空間があり、散歩コースの中では一番好きなお寺さんです。

下作延地区の曹洞宗円福寺の本堂


 ということで、2回に分けたお寺さん巡りは終了です。各地区には最低でも1つはお寺があり、鎮守社と同じような状況であることがわかりました。元々は各地区の集落ごとにそれぞれの神社仏閣があり、庶民の暮らしの中で重要な役割を果たしていたという事なのでしょうね。

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