庭の自然を楽しむ-2 ツマグロヒョウモンの羽化
ツマグロヒョウモンという名の蝶がいます。漢字で書くと,褄黒豹紋。羽根の先端(褄・つま)が黒く,豹柄のように黄色に黒の斑点がある蝶という意味です。南方系の蝶で,最近日本での分布が広がっている綺麗な蝶です。
幼虫は,黒の身体にオレンジ色の筋と斑点が入った体長4〜5cmの,ちょっと毒々しい,いわゆる毛虫です。この褄黒豹紋の幼虫の餌は,すみれ系の草です。春に庭で,バンジーとかビオラを育てますが,それらはすみれ系の草ですから,彼らの餌となります。パンジーやビオラの花が終わった後,枯れないように夏まで水やりをしていると,蝶が卵を産み,そのうち特徴的な黒とオレンジ色の幼虫が何匹もそれらの株に住み着きます。
数年前まで,姫路に住んでいた時には,パンジーやビオラの株に幼虫がつき,そのうち蝶になり,庭を飛び回っているのを楽しんでいました。佐倉に引っ越してから5年目にして,初めてパンジーの株に幼虫が住みつき,葉を食べているのを見つけました。さらには,その羽化を観察することができました。
写真1は,褄黒豹紋の幼虫であり,枯れかけたパンジーを餌にしています。写真2は,センリョウの葉にぶら下がってサナギになろうとしているところです。写真3は,そのわずか2時間後のもので,すでにサナギになっていました。写真4は,サナギになって8日目に,羽化したところです。下に見えるオレンジ色の液体の塊は,蝶の排泄物だと思われます。この蝶は,雄でした。
写真5は,数日後に庭に飛来した褄黒豹紋の雄です。羽化して日にちを経た蝶の羽根は傷ついていることが多いのですが,この蝶の羽根は健全であり,我が家から巣立ったものではないかと思っています。