溝口さんぽ(No.5)ー周辺の地名についてー

 溝口は二子玉川駅から多摩川を渡り、二子新地駅、高津駅と駅間の短い区間を経て、3つ目の駅、溝の口駅が中心になります。蛇足ではありますが、溝口の地名表現には、溝口、溝の口と溝ノ口の3つの表し方が混在しており、ちょっとややこしいです。溝口の市街地は多摩川左岸の河岸段丘の麓に位置していますので、東急田園都市線ですずかけ台方面の電車に乗っていると、溝口駅を出るとすぐにトンネルに入り、河岸段丘の上の面に出るところが実感できます。私が学生の頃にはしばらくは隣の梶が谷駅が大井町線の終点だったような記憶があります。そのため、今でも車両基地にその名残が見られます。
 その高台から東の方向を見ると、東京都世田谷区の河岸段丘まで見通せます。その距離は数km内外で、現在の堤防が整備されるまでは多摩川がこの範囲を蛇行しながら流れていたことがうかがわれます。地図をよく見ると、東京都(世田谷区と大田区)と川崎市(多摩区、高津区、中原区、幸区)の間には同じ地名が存在することに気づきます。例えば、上流から下流にかけて、宇奈根、野毛、等々力、丸子、沼部の地名がどちらにも共通して見られます。二子も東京側の二子玉川駅の名前と高津区二子の地名とがあります。多摩川の流れがこのような地名の場所に沿って蛇行していたことを物語っているものと思われます。中でも丸子の地名は、川崎側には上丸子、中丸子(駅名には新丸子駅も)が、一方、東京側には下丸子の地名があり、集落の上流・下流の位置関係が分かります。一方、上野毛と下野毛、沼部と下沼部では丸子の地名とは東京都と川崎市側で上下が逆になっていることにも気づきます。こんなささいなことも散歩をしていると、何か興味深く感じられます。

コメントを残す