講演会の開催レポート 「日本のエネルギー政策の現状と今後」~第7次エネルギー基本計画、GX2040ビジョン~

 標記講演会(講師:経済産業省 技術総括・保安審議官 湯本啓市氏 無機材会会員)が 2025年12月6日(土) に東京科学大学・大岡山キャンパスにて開催され、オンラインでも同時配信された。参加者は、無機材会のOB/OG会員の他、物質理工学院 材料系無機材料分野の学生/院生と教職員の方々で、現地会場とオンライン会場を合せて40余名の参加があり、現地会場では講演会終了後に懇親会が開催され、良き交流の機会となった。

 講演では、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉の進捗について触れ、我が国のエネルギー需給の状況について解説がなされた。次に、政府が主力電源としている再生可能エネルギーの導入状況として、東日本大震災以降、約10年間で、再エネ全体で約2倍、風力が約2.2倍、太陽光で約20倍まで増加しているなどの説明に続き、2040年度におけるエネルギー需給の見通しについて解説がなされた。さらに、2024年に制定された水素社会推進法による水素供給体制の支援や、CCS事業法によるCO2貯留事業の適正運営を確保などの国の政策が紹介された。

 最後に、エネルギー安全保障の強化には、再生可能エネルギーと原子力の最大限の活用が不可欠であり、事業者による脱炭素電源への投資促進、さらには国のエネルギー政策と産業政策を一体的に推進することの重要性が強調され、講演を終えた。


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 今回の講演をお願いした湯本啓市氏は、平成5年に木村・松尾研究室で理工学研究科を修了されています。会場には木村先生と松尾先生もお出でになり、さすがに湯本氏も最初は緊張した雰囲気でしたが、豊富な資料に基づく1時間の分かり易い講演を実施して頂きました。参加者にとって非常に興味あるテーマであったこともあり、講演後の30分間の質問時間も不足する事態となりました。改めて、講演を引き受けて頂きました湯本啓市氏に感謝申し上げます。

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(企画担当:薮田和哉)

     

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