窯好き仲間が明治の赤煉瓦焼成窯を堪能(無機材会・関東支部 2023年見学会)
2023年11月17日(金)、3年振りに無機材会・関東支部の見学会が開催された。
見学先は、栃木県野木町のホフマン窯。ドイツ人 フリードリヒ・ホフマンが19世紀に開発した赤レンガ用焼成用輪窯で、明治初期銀座赤煉瓦街建設の為に設置され、以降、各地に建設されたが、現在稼働しているものは無い。野木町の窯は、16区画の窯を順次循環移動しながら窯詰め、予熱、上部からコークスを入れて焼成、冷却、窯出しを繰り返しながら連続的に赤煉瓦を焼く事によって、一回の循環で22万本の赤煉瓦を焼成し、年間600万本も生産した。明治23年に完成火入れし、昭和46年迄稼働し、東京駅、日光金谷ホテル、足尾銅山等の建設に供された。我が国に現在残る四基の中で、完全な形で保存されている。
当日は大雨と風の予報で心配されたが、運の強い人が居たようで、なんと集合時間の12時40分には雨が上がった。参加者は当初13名であったが、風邪を引いた等で10名の参加であった。全員焼成炉に関心が有ったようで、野木町煉瓦窯を愛する会の須藤さんの説明を真剣に聞き、煉瓦の詰め方、最初の火入れの仕方、燃料の供給、ダンパーの開閉等質問しきりで、予定の40分を30分も越えていた。
ホフマン館の並木道の46本の黄葉が始まったメタセコイヤとホフマン窯を背景に記念写真を撮った。
その後、タクシーで、近くの大銀杏と梟で有名な野木神社にお参りした後、古河の歴史博物館を見学した。丁度、古河公方の企画展が開催されていた。見学後、久々の懇親会を、古河名物の丸い餃子を味わいながら一杯飲んで、6時に終了した。楽しい一日であった。
一つ残念だった事:古河駅で拾った2台のタクシーは、たった3.2km先のホフマン館を知らないようで住所等を聞かれた。しかも古河周辺のタクシー会社3社には野木ホフマン館への配車を断られた。古河駅は茨城県、ホフマン館は栃木県。行政区が違うとこうも冷たいものか。勉強しようともしいないタクシーの運ちゃん、運転手不足のせいか?
文責:前田、安田