リレーエッセイを開始します

副会長 (広報担当)  岡田 明

新型コロナの蔓延で同窓生が集まって、お話をする機会が著しく減少しています。ワクチン接種が進めばウイルスも退散するかもしれませんが、感染力を高める変異などを起こして生き残りを図るでしょうから楽観はできません。

リモートワークやリモート会議の利用が広まっていますが、うわさ話や無駄ばなしに適しているようには見えません。集団生活をするニホンザルやチンパンジーではお互いを毛づくろいをすることで仲間同士の結束を図っていましたが、ヒトではうわさ話などのおしゃべりすることによって絆を深めてきたとロビン・ダンパーは主張しています。

サルの言葉は実用的です。樹上生活をするサルの天敵はヘビ、ヒョウ、猛禽類の3種類ですから、集団の仲間に対して3種の脅威に対する3種類の鳴き声を区別して知らせます。オナガザル科のベルベットモンキーはこの3種類の鳴き声を使い分けますが、近縁のグリーンモンキーはヘビとヒョウに対する2種類の鳴き声を使い分けるそうです。これはグリーンモンキーの生息地域に猛禽類の脅威がないからとされています。

北米の草原に巣穴をつくるプレーリードッグも食事時には、1頭の見張り役が巣穴の脇の見張り台に立って天敵の接近を警戒します。危険が近付けばイヌのような鳴き声で仲間に危険を知らせます。恐らく、サルの場合は天敵からの防衛に3つの方法がありますが、プレーリードッグの方法は巣穴に戻ることしかないので鳴き声は1種類でこと足りるのかもしれません。

シジュウカラのような鳥の言葉も実用的です。捕食者となる大型の鳥の接近を互いに教え合います。しかも、コガラやヤマガラなどと混群を形成して、天敵の接近を互いに教え合うのです。種によって警戒の鳴き声は異なりますから、これらの鳥は異種の鳥の言葉も聞き分けているのです。同じ種の言葉といえども外国語の習得に苦労している人間にとっては、崇敬の至りです。しかし、動物や鳥の言葉に無駄ばなしの報告はありません。無駄ばなしをすることは人間の特徴のようです。

いままでホームページから発信する内容は、総会や見学会などの会員への連絡事項が中心でした。これでは無駄ばなしをしない動物や鳥の鳴き声レベルに過ぎません。これからはレベルをワンランク高めて無駄ばなしの発信も進めます。近況報告や関心事についての話題提供など、無駄ばなしの内容には制限はありません。権限を与えられた会員は自由にホームページに無駄ばなしを書き込めます。個人ブログのような位置づけです。読者はコメントを書き込むことができるので、双方向のコミュニケーションが可能となります。

会員への投稿権限の付与はリレーエッセイを利用して行います。リレーエッセイでは無駄ばなしの執筆を完了した寄稿者が次の寄稿者を指名します。指名された会員には自動的に投稿権限が付与されます。次回の寄稿者として指名されれば、投稿パスワードが付与されるからです。リレーエッセイへの寄稿には内容の制限はありません。同窓会なので巻頭言のような堅苦しいものより、気軽な内容を歓迎します。セラミックス誌の「随想」や朝日新聞の「天声人語」よりもワンランク気軽な内容が一応の基準です。

リレーエッセイに指名された会員は「投稿パスワード」を入力してサイトにアクセスし、記事を執筆します。記事を執筆するときの操作方法については、試行錯誤が必要な部分があるので、お役立ち情報を「投稿の手引き」のなかに書いておきました。参考になるかもしれません。リレーエッセイの記事の執筆が終わったら、「会員からの便り」のなかのカテゴリー「リレーエッセイ」を選択して公開してください。次のステップは、次に指名する執筆予定者の内諾を取ることです。内諾が取れたら、コメント欄にその旨を記入してください。次の執筆予定者から事務局に連絡が入って執筆受諾の確認が取れたら、「投稿パスワード」が次の執筆予定者に送付され、そのコメントは公開されます。

次の執筆予定者に指名された会員は、「お問い合わせ」から執筆承諾の連絡をお願いします。そこに記入したメールの宛先に「投稿パスワード」が送付され、リレーエッセイ欄への記事の入力が可能となります。

リレーエッセイに寄稿した後はホームページのなかに近況報告、同期会報告、将来の夢や昨今の関心事などの記事を自由に書き込めます。業務に関連する活動報告から組織文化の紹介や交遊録、家族との暮らしぶりや地域での活動、恋愛問題、健康問題や趣味の紹介にいたるまで、幅広い分野の無駄ばなしの投稿が可能となります。豊富な経験や知識を集大成したうんちくの披露や技術講座などの連載、「私の履歴書」のような回顧録の連載も歓迎です。なお、リレーエッセイで指名されるまえに寄稿を希望される方は「お問い合わせ」からその旨をご連絡ください。できる限り、配慮いたします。

この投稿と寄稿を組み合わせた方式で会員間の親睦とコミュニケーションの促進を図りたいと思っています。新型コロナの感染拡大には実効再生産数が1を超えることが必要とされています。リレーエッセイでもその拡大をはかるために、当面の間は次の執筆者として1名以上(2名あるいは3名以上)を指名して頂きます。初期段階では宇宙の始まりのときのような執筆者数の急拡大が起こることになります。毎年、新会員が加入しますが、会員の数は有限なので、リレーエッセイは多くの会員が執筆すれば、次第に収束して個人ブログへの相転移が起こることになります。この相転移が起こるのは、ウイルスの絶滅による感染症の終息よりは時間がかかるのではないかと予想していますが、リレーエッセイで多くの会員を次回の執筆者として指名すればあっという間に進んでしまうのかもしれません。

スタンレー・ミルグラムの実験によれば、知り合いにその知り合いを紹介してもらうという手続きを6回繰り返すと世界中のすべての人と知り合いになるとのことです。これが「6次の隔たり」です。無機材会のネットワークがいかほどのものかは不明ですが、世界中の同業者のネットワークのかなりの部分をカバーしているのではないかと想像しています。メトカーフの法則によれば、ネットワークの価値は利用者数の2乗に比例するとも言われています。世話人としても、価値を高めるために多くの会員にご利用いただき、寄稿・投稿を通じた双方向コミュニケーションを通じて、会員同士の親睦を深め、ネットワークの価値向上にも寄与できるような運営をしていきたいと思っています。双方向コミュニケーションの更なる改善については、会員からのご提案を頂いて、それを反映することで推進を図りたいと考えています。お気軽にご意見・ご提案をお寄せください。

なお、寄稿・投稿に費用はかかりません。ホームページ内に新たなカテゴリーを設定して個人ブログや消滅した研究室の交流ブログを始めても費用は無料です。寄稿しても原稿料等が支払われることは絶対にありません。すべての費用は年会費で賄われます。また、査読サービスはありませんので、誤字・脱字等のチェックは自己責任でお願いします。ただし、カテゴリーやタグの設定などについては、編集者が修正する場合がありますので、その旨はご了承ください。

コメントを残す