新ホームページの開設について
副会長 (広報担当) 岡田 明
1969年の春は活気に溢れていました。正門の守衛は機能を剥奪され、正門の前では大声でスピーチが行われていました。もちろんパワーポイントはなく、立て看板に直筆で書かれたものがスピーチで主張する内容でした。その正門を通り過ぎたところにあったのがテニスコートです。学内は休講が続き、学生は運動に明け暮れていました。しばらくするとその運動は沈静化し、テニスコートは廃されて新しい建物ができました。それが情報処理センターです。
1972年頃だったと思いますが、情報処理センターの見学が許された記憶があります。建物の大部分を大型コンピュータが占拠し、冷房のよく効いた広い部屋におびただしい数の磁気メモリーが設置されていたことが印象に残っています。プログラムは専用の部屋でパンチカードに穿孔して作成し、そのカードを揃えて受付に提出します。しばらくすると計算結果が出てくるのですが、たいていの場合はどこかでプログラムが停止してしまい受け取るのはエラー情報です。プログラムがどこで停止したのかも知らされず、パンチカードを調べると並べる順序が間違っていたことに気づくとか原因はいろいろありましたが、原因の解明には天文学的な努力が必要でした。
その後のコンピュータの進歩は著しく、キーボード操作で入力ができるようになり、親切にもエラーメッセージも表示されるようになりました。しかし、大型のメインフレームコンピュータは処理速度が速くても、端末からアクセスしようとすると利用希望者が多いために順番待ちとなります。ちょうど新型コロナウイルスのワクチン接種の予約サイトにアクセスが殺到して、いつまでたっても繋がらないのと似た現象です。
コンピュータが身近になったのは1970年代の終わりごろからです。NECのマイコン・キット(TK-80)が発売され、これは16進法の数字が表示されるだけのものでしたが、マニアには人気でした。その後、電源を入れるとBASICというプログラミング言語が走り出すマイコンが現れ、マニアでなくてもコンピュータに触れることができるようになりました。1980年代になるとMS-DOSというオペレーティングシステム(OS)を搭載したコンピュータが出現し、ワープロソフト、表計算ソフト、お絵かきソフトなどが使えるようになり、ようやく仕事に使えるようなレベルに達したのです。ソフトウェアが書きこまれたフロッピーディスクをコンピュータに差し込んでソフトを起動し、データは別のフロッピーディスクに保存する方式です。
1990年代になるとコンピュータ内にソフトウェアをインストールできるようになり、データの保存もコンピュータ内にできるようになりました。さらに電話回線を使ったネットワークへの接続も普通になりました。インターネットとソフトウェアの充実によってコンピュータは個人用の電化製品、パソコンとなったのです。2000年代以降には光ファイバーを用いたインターネットやWi-Fi通信が普及し、携帯電話にもパソコンの機能が搭載されてスマートフォンへと進化しました。パソコンやスマートフォンの処理速度は速くなり、かつてのメインフレームをも凌駕するようになりました。大容量の処理が可能となって、扱えるデータも数字や文字から画像や動画へと拡張されました。
このような時代となれば、パソコン通信を想定していたホームページ(Webサイト)も変容を迫られます。スマートフォンでも快適に閲覧できるようなホームページに変えていかねばなりません。いままでの無機材会ホームページはスマートフォンで閲覧すると縮小された表示となって見にくいのですが、レシポンシブWebデザインを採用するとパソコンとスマートフォンで表示が自動的に切り替わるようになります。新しいホームページはこのレスポンシブWebデザインを採用して制作しました。
新しいホームページのもう1つの特徴は双方向のコミュニケーションが容易なことです。ホームページの制作ソフトがブログ用なので、本部からの連絡事項だけではなく、会員からのコメントの発信や新たな記事の投稿も可能となりました。投稿者に設定された会員は、ホームページ内に自由に記事を書き込むことができるのです。
投稿者としての設定は、メールアドレスに紐づけられたパスワードを会員にお送りすることで可能となります。原則として希望される会員にはすべて投稿権限を付与する予定ですが、本部の事務手続き業務に大きな負荷がかからないように、投稿権限の付与は順次行います。最初に投稿権限が付与されるのはリレーエッセイで指名された会員です。
投稿権限が付与された会員はまずはリレーエッセイに寄稿することになりますが、その後は自由な投稿が可能となります。無機材会ホームページのなかに個人のブログページのようなものを作成することも可能で、近況報告、同期会報告、昨今の関心事などの記事を自由に投稿できます。なお、リレーエッセイで指名されるまえに投稿を希望される方は「お問い合わせ」からその旨をご連絡ください。できる限り、配慮いたします。
会員の皆様のホームページなので、双方向コミュニケーションのツールとして是非ご活用ください。