埼玉短信:今年の彼岸花の開花は平年より10日以上遅かった
「彼岸花が咲いた」というニュースで「お彼岸だ」と思うのが普通だと思っていましたが、今年は、お彼岸を十日以上も過ぎた10月1日に漸く咲き始めました。
気象庁の開花データを調べたところ、本州では開花の平年値は9月14〜23日で今年は異常に遅いようです。因に、彼岸花の開花の最早値は那覇で1999年に8月13日、開花の最晩値は石垣島で2017年に11月6日というデータがあるようです。
植物の花芽形成は、日長・温度・生育量など種々の要因が関係しており、今年の彼岸花の開花が遅かったのは、連日の35℃超えが効いたものと思われます。
以前、「暖冬が激しくなると、桜が咲かなくなるかも」と書きました。その要因は冬の低温による花芽形成の誘導が必要で、これを春化(バーナリゼーション)と言うそうです。桜に限らず彼岸花でもこのバーナリゼーションが必要なようで、冬の気温を高くすると咲かない事が実験的に証明されているようです。
ところで、赤い彼岸花の花言葉は「悲しい思い出」「想うはあなたひとり」「情熱」「独立」「再会」「また会う日を楽しみに」「あきらめ」です。最初の「悲しい思いで」は、昔のお墓は土葬で遺体をモグラなどに荒らされないようにと球根に毒のある彼岸花を植えたことから発した花言葉のようです。